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2002 年度 実績報告書

流体のエネルギー・運動量輸送特性を支配する分子間伝搬機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13650207
研究機関東北大学

研究代表者

小原 拓  東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (40211833)

キーワードエネルギー伝搬 / 運動量伝搬 / 液体 / 分子間伝搬機構 / ナノ液体薄膜 / 潤滑
研究概要

流体がエネルギーや運動量を輸送(伝導)する特性を支配するミクロ(分子スケール)なメカニズムを明らかにすることを目的として、計算対象のミクロ流体として固体壁に挟まれた薄膜状の液体を選択し、分子動力学シミュレーションによる解析を進めた。この系は、固体壁が速度差をもつとき、クエット流類似の流れが形成される中で運動量の伝搬が発生し、同時に、流れのエネルギーが熱エネルギーに変換される(マクロには粘性加熱)ことにより液体の温度が上昇してエネルギーの伝搬(マクロには熱伝導)が生じることから、エネルギー・運動量の伝搬を解析しようとする本研究におけるミクロ流体モデルとして最適であるばかりではなく、液体潤滑(流体潤滑)として機械工学的に重要な応用につながる。液体として単純(単原子分子)液体を想定したシミュレーションにより、(1)固液界面におけるエネルギー・運動量伝搬特性の劣化による温度・速度ジャンプ、(2)固体壁近傍にあって固体分子のポテンシャルに捕捉されて固体類似の構造を形成した液体における伝搬特性、(3)固体壁極近傍の液体領域における著しい非平衡状態、などを明らかにした。特に(3)は、当該領域において熱的エネルギーが分子の運動自由度に等分配されていない状況を観察した最初の研究である。こうした非平衡状態の機序は回転自由度をもつ多原子分子の液体の場合にはさらに複雑となるため、これを解析する第一段階として直線分子を選択し、単原子分子の場合と同様の系についてシミュレーションを行って、その伝搬特性を解析した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 小原 拓, 八並 知美: "固体壁面間でせん断を受ける極薄液膜中のエネルギー・運動量伝搬特性"第39回日本伝熱シンポジウム. 391-392 (2002)

  • [文献書誌] Taku Ohara: "Molecular-scale liquid phenomena in microsystems"JSPS-NSF US-Japan seminar on nanoscale thermal science and engineering. (2002)

  • [文献書誌] Taku Ohara, Tomomi Yatsunami: "潤滑液膜の分子動力学的研究"日本機械学会第15回計算力学講演会講演論文集. No.02-02. 599-600 (2002)

  • [文献書誌] Taku Ohara, Tomomi Yatsunami: "Energy and momentum transfer in an ultrathin liquid film under shear between solid surfaces"Microscale Thermophysical Engineering. 7-1. 1-14 (2003)

  • [文献書誌] 小原 拓: "固体壁面間における多原子分子液膜のエネルギー・運動量伝搬"第40回日本伝熱シンポジウム講演論文集. (印刷中). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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