研究概要 |
(1)内径0.6mm微細円形流路が22個並列に配置された水ジャケット方式のテストセクション及び内径1.8mmの単円管からなる電気加熱方式のテストセクションを試作し,それらを組み込んだ試験ループを製作した.水ジヤケット方式のテストセクションは,冷却及び加熱実験が可能であり,局所の伝熱面温度,熱流束及び圧力が測定できる構造となっている.一方,単円管のテストセクションは加熱実験のみ可能であり,局所の伝熱面温度及び熱流束と全体の圧力損失が測定可能である. (2)試験ループ及び計測方法の基本特性を把握するために,まず亜臨界域における液単相加熱実験を行った.そして,いずれのテストセクションの場合も,摩擦係数は層流域では理論式と一致し,乱流域ではBlausiusの式に一致すること,平均熱伝達係数は層流域では十分発達した場合の理論値に一致し,乱流域ではGnilinskiの式に比して若干低い値を示すことを確認した. (3)液単相加熱実験に次いで,試験ループ及び計測方法の基本特性を把握するために,亜臨界域での沸騰蒸発実験を行った.いずれのテストセクションの場合も熱伝達係数は従来の比較的大きい直径管の熱伝達に関する吉田らの式と比較的良い相関を示すが,クオリティ変化に対する熱伝達係数の変化の特性は若干異なること及び二相流摩擦圧力損失は直径の影響を考慮した三島・日引の式と比較的良い相関が得られることを確かめた. (4)細管内で冷却される超臨界域CO_2の層流強制対流熱伝達に関して,特に擬臨界点が伝熱過程内で出現する場合を対象とした,物性値変化を厳密に考慮した数値解析コードの開発を完了し,系の圧力レベル,入口温度を変えた場合の数値解析を試みた.
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