研究概要 |
平成13年度は、熱交換器の設計・製作、基礎データの取得、数値解析コードの開発、全熱回収率、有効熱回収率および熱交換器外壁温度に及ぼす主要パラメータの影響などについて検討した。実験は、2層から5層の熱交換器構成に関し、高温部の作動ガス入口温度がT_<gho>=400〜600℃、発泡金属板の光学的厚さがτ_o=7.7、デミスターの厚さが55mm、フィン無しおよびフィン付き隔壁、作動ガス平均流速がu_m=0.15,0.23m/sの条件下で行った。その結果、発泡金属で高温部を遮蔽した排熱回収部を設けることにより、断熱性能が著しく向上するとともに良好な熱回収率が得られること、5層の熱交換器構成によりT_<gho>=600℃の場合でも約40%の全熱回収率が得られることなどを明らかにした。また、1次元のふく射熱交換に基づく連成計算にExcelのスプレッドシートを適用した新しい数値解析法を提案し、本熱交換器の温度分布および熱回収率が実用的な精度で計算できることを示した。 平成14年度は、前年度の成果をもとに、より広範な条件下での実測値の蓄積と整理、熱交換性能、断熱性能および非定常特性の評価、簡易整理式の提案などを主要課題とする研究を行った。主要パラメータであるT_<gho>を300〜700℃、τ_oを0〜15.4とし、デミスターの設置位置、フィン形状などを変えて検討した。その結果、全熱回収率は層数に比例して増大、媒体の光学的厚さは8程度で十分、隔壁の見掛けのふく射率が低下しないフィン構造の設計が必要、隔壁へのジグザグフィンの設置は熱回収率の向上に極めて効果的、作動ガスの流動状態とふく射エネルギーの射出および吸収効果を考慮したデミスターの設置位置の選定が必要、発泡金属板は良好な非定常特性を有し系全体の変化特性は熱交換器ユニットおよび隔壁が支配的などの数多くの知見が得られた。また、全熱回収率に関し、代表的な光学的厚さτ_o=0,7.7に対する簡易整理式を提案した。
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