研究概要 |
1.ハイスピードカメラによる衝突実験方法の検討 昨年製作した実験装置を用いてゴルフボールの衝突実験を行い,ハイスピードカメラによる現象解析を行った.昨年の実験では,衝突速度が大きくなると測定衝突力の波形が変形した.その原因として,ゴルフボールの固定部の影響が考えられた.そこで,今年度は,ハイスピードカメラにより,その影響を調べた.測定した結果,衝突速度が大きくなるとボールの衝突部の変形のほかに固定部の変形も確認できた.このことから,ボールを固定した実験方法では,衝突速度を大きくすると,精度が悪くなることが確認できた.また,衝突時間が実際のゴルフボールの衝突時間の0.4msと大きく異なり4msとなり,モデルの妥当性を検討できないこともわかった. 2.衝突実験装置の改良 改良した実験装置は,ゴルフボールをヘッド上に置き,ヘッドとともに落下させ,ベースの設置したロードセル衝突させ,衝突特性を測定するものである.衝突力は,ベース上に取り付けた圧電型ロードセルで測定する.ロードセルで測定した衝突力から加速度を求め,積分することにより変位の計算を行った.この装置により,精度良く衝突現象を測定することが可能となった. 3.衝突モデルの妥当性の検討 衝突モデルは,Hertzの接触理論を複素ばねに拡張して,非線形ばねと非線形ダッシュポットの並列2要素でモデル化したものを用いる.そして,実験から得られた衝突力・履歴特性と数値シミュレーション結果を比較し,モデルの妥当性を検討した.その結果,ゴルフボールの衝突モデルは妥当であり,衝突特性が数値シミュレーションにより求めることが可能となった. 4.残留振幅現象の確認 衝突現象において,衝突が終了してもボールの変形が残っている現象が,ハイスピードカメラによる現象解析で確認できた.
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