研究概要 |
本研究は,波動場通信方式,機械学習付き自動調整機構,流体金属ロボットと柔構造型群ロボットを用いて,「自在変形機能」の構築を目指したものであり,本年度においては,波動情報の計測システムと機械学習を用いた感度制御のためのシミュレータシステムを構築し,と既存の移動ロボットと液体金属の形態制御システムへの適用実験を行った.本年度の成果は以下の通りである. ●種々の幾何形状における波動情報に対する機械学習付き感度調整制御のための方法論を構築した.構築した方法論においては,音場の状態を多点計測することにより,その発生源を推定することが理論的に可能であることが確かめられた. ●2台の移動ロボットに対して,音声出力を利用することにより波動場の発生器と観測機をそれぞれ作製し,ロボット間相互のコミュニケーションの実験を行い,波動場を用いた群ロボットの制御の可能性を実証した.また,障害物の形状認識試験および障害物検知モジュールを構築し,障害物環境における変形可能性と運動可能性に対する評価検討を実施した. ●また,これら波動場による多対多の相互通信方式を用いて,液体状金属(水銀)を利用した形態形成機能の実現を試行した.本実験においては,移動ロボットの代わりに液体状金属を用い,電場の振動状態を制御することによって,液体状金属の位置及び速度制御が可能であることが確かめられた.波動場の通信機能を付加することで,要素ロボットの運動状態をすべて波束(振幅と位相情報)に変換することが可能となり,弾性波の散乱状態からの各要素ロボットはロボット群全体の形態や運動状態を類推可能となることが確かめられた.
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