研究概要 |
柔構造型群ロボットを用いた目標形状の達成度の評価を行うことにより,自在変形機能の性能の評価を行った.性能評価は,Morpho Rateと呼ばれる評価基準を定義し,波動場通信方式を用いたユニット群の衆参課程のシミュレーション,及び,流体金属ロボットとと柔構造型群ロボットについて,これを明らかにした.これらシミュレーション及びロボットについては幾何形状や動力学的情報をパラメトリックに表現し,機械学習などの適応機能を適用した.波動場の通信機能を付加することで,要素ロボットの運動状態をすべて波束(振幅と位相情報)に変換することが可能となり,弾性波の散乱状態からの各要素ロボットはロボット群全体の形態や運動状態を類推可能であることが確かめられた. 特に,実際の流体金属ロボット及びと柔構造型群ロボットの制御においては,各要素ロボット同士の位置関係の相互認識の問題,すなわち,一つの要素の運動が群ロボット全体にいかなる影響をおよぼすかが予想困難な問題であったが,Morpho-Rateを評価基準として用いることにより,局所的な要素の運動状態の観測結果を用いて,これをロボットの筐体全体に対して算出することにより,大域的な運動状態の分類と予測に応用可能であることが確かめられた. しかしながら,多対多の通信に起因する問題すなわち,要素間の通信におけるジャミングや干渉等の問題については,いまだ明確な結果を報告するところまでは達成されていない. また,今後は,同時に音場と電場の空間的な強度分布,環境温度を計測することにより,駆動系の温度ドリフトを考慮した場の幾何学的形状の柔構造型群ロボットの形態に対する影響度を明らかにすることが課題となる.
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