研究概要 |
本研究では、エンドエフェクタとしてグリッパの代りに掌型の操作板を用い、物体を掴むことなしに、掌上でハンドリングする方法を提案し、そのシステム化を図る。れにより、(1)潰れやすし、等の理由で掴むことが困難な物体を扱うことを可能にする、(2)グリッパの開き巾以上に大きい物体を扱うことを可能にする、(3)瞬時の物体の持ち替え動作を実現することを目指す。本年度は次の研究成果が得られた。 (1)理論構築 「差し込み」により、物体の下に操作板を差し込むメカニズムを解析した。また「回転動作」を上下に振ることで操作板と物体間の摩擦力を調整し、それと同期して操作板を時計方向、反時計方向に回転することで実現するための理論的方法を構築した。つぎに「表裏反転動作」として、操作板上の物体を空中に放り投げ、反転後キャッチする方法の理論を構築した。さらに「滑り下ろし」により、物体をテーブル上に移行するメカニズムを解析した。これは操作板にある程度の傾斜を持たせ、小刻みに揺することで物体をゆっくり滑り下ろす方法である。 (2)システム構築 ・ロボットマニピュレータの開発 エンドエフェクタとして掌状の操作板を装着した6自由度ロボットマニピュレータを開発した。理論上必要な加速性能を出すための軌道設計の方法を考案した。 ・制御システムの開発 ロボットマニピュレータを実時間OS搭載制御用コンピュータ(V_xWorks+ボードコンピュータ)に接続し、アーム制御のための基本ソフトウェアを開発した。 (3)実験 理論構築を行った「差し込み」「並進動作」「回転動作」「表裏反転動作」「滑り下ろし」等について動作プログラムを作成し,動作実験を行った。動作には種々のパラメータが含まれ、良好な動作制御のためにはパタメータの調整が必要である。動作実験を通したパラメータ調整を行った。これにより基本動作の制御が可能になった。
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