研究概要 |
ユーザと対話しながら動作するパーソナルロボット実現のために必要な機能を以下の3つに大きく分け,それぞれ以下のような研究を行った. 対話的物体認識:まず,認識対象のモデルをデータベースへ登録する研究を行った.物体をどの方向から見ても認識できること,後から他の物体が追加されても区別できること,という条件を満足するモデル生成手法を開発した.さらに,モデル登録時と認識時の照明条件の違いを補正するため,照明の変化による対象物の色の変化のモデルを構築し,実験によりその有効性を確認した. 音声認識と会話プランニング:音声対話において,市販の音声認識装置の結果が正しくない場合や,あるいはあいまいである場合に,複数の可能な認識結果を取り出し,状況,文脈,および発音の類似性を考慮して,ユーザの意図した言葉を推定し,適切な質問を生成する手法を開発し,実験によりその有効性を確かめた. 直観的作業教示法:サービスロボットが対象とするさまざまな作業に対し,簡便に作業を教示する方法を研究した.ある作業における手先の動きを対象物座標系で記述し,さらにその作業が遂行できるための手先位置・姿勢の範囲を与えることにより,ロボットが自己の構造の制約を考慮しながら,アームの軌道を計画し,また必要に応じてロボット自体の位置の移動を計画する手法を開発した.実際に,マニピュレータ,カメラ,PC,レーザレンジファインダ(LRF)を移動ロボットの上に設置し,パーソナルサービスロボットを用いて冷蔵庫から指定されたジュースの缶を取ってくる作業を実現した.
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