研究課題/領域番号 |
13650284
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
嵯峨 宣彦 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (80315639)
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研究分担者 |
中沢 賢 信州大学, 繊維学部, 教授 (90021138)
島田 邦雄 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (80251883)
中村 太郎 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助手 (50315644)
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キーワード | Microrobot / Biomechanics / Earthworm / Magnetic Fluid / Locomotion / Artificial Muscle / Magnetism |
研究概要 |
磁性流体を用いた蠕動運動型マイクロマシンについて、3年間の研究期間のうち初年度に当たる平成13年度の研究成果について報告する。 特許出願を行ったマイクロマシン及びマイクロマシンシステム(特願2000-225631)と同じ天然ゴムチューブに水ベースの磁性流体を封入したセルを複数接続した構成で試作機を製作し、ビデオカメラを用いて動作解析を行った。さらに、これを基にセルに働く磁気力の解析をFEM(有限要素法)を用いて行った。また、一方でバイオエンジニアリング分野のアプローチとして、実際のミミズの動作解析をビデオカメラによる観察結果を行い、両者を比較検討した。 これらの結果から、従来の駆動方式である真空圧駆動式や、圧電アクチュエータ、形状記憶合金の利用したミミズ型ロボットでは実現できなかった単純な構造で、連続的な蠕動運動を実現できることが確認できた。 しかし、現構成では磁性流体の磁気圧力が小さいことと、水分の蒸発の問題が発生し、用途とするマイクロマシンの寿命に影響を及ぼすことが明らかとなった。そこで、これらの課題を解決するために、新たな磁性流体の開発とチューブ素材の開発の試みをスタートさせた。 磁性流体の開発では、大きな磁気圧力を発生するMR流体の特性を活かし、分散性が悪い欠点を補うため磁性流体とMR流体の混合による大幅な特性改善を行っている。 また、新しいゴムチューブを検討する中で、磁性流体をゴム素材の中に混ぜた磁性ゴムを開発中である。これは、磁性流体の水分蒸発を考える必要がない全く新しい構成が検討できる。 他に、従来のマッキンベン型人工筋アクチュエータを改善するシリコンチューブ内にケブラー繊維を入れ長寿命化したアクチュエータも試作し、その基礎特性を計測、空気圧アクチュエータとして応答性も線形で良好な結果が得られている。 これらの成果は平成14年度に研究発表を行うと共に、今後さらに基礎特性を高める検討とシステム構築のための検討を行う予定である。
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