研究概要 |
ロボットにヒト並みの器用なハンドリングや物体認識を実現することを目的として,研究代表者らが開発を進めてきた光導波形三軸触覚センサを指先に組み入れた多本指ハンドを新しく開発する. 本年度では,多指ハンド改造,触覚センサのセンサ素子の改良,触覚センサの設計製作を中心に研究開発を進めた.本年度の成果を以下に要約する. (1)前年度開発したロボット・ハンドの指の発生力を増加するため,モータを換装することに伴い指を新しく設計製作した.前年度と同様に,各指の自由度は3で,DOS/V機からRS232C経由で制御するようにシステム構成した.この指2本をハンドに組み込み,開閉動作と指のスライド運動を行えるようにプログラミングした. (2)上述のハンドに搭載できるように,ファイバースコープ,触覚センサ触子アレイ,光導波板,照明装置から構成される三軸触覚センサを設計製作した.また,ファイバースコープの画像をCCDカメラに取り込み,2値化,重心計算などの画像処理から三軸力を計測できることを確認した. (3)画像処理従来の三軸触覚センサにおいて,過度のせん断力が加わると円すい触子の一部が浮きあがり,発生しているせん断力を計測できなくなるという問題があった.前年度検討した1円柱状触子-1円すい状触子構造に加えて,1円柱状触子-8円すい状触子構造についても検討し,低垂直力荷重においても,せん断力計測ができることを確認した. (4)製作した触覚センサ搭載ハンドに円筒形物体と平面物体を把握させ,開閉運動やスライド運動を実施することによって,垂直荷重および水平荷重の変動パターンの相異からこれらの面形状を判定できることがわかった.このようなフィージビリティ・スタディを実施することによって,本ハンドシステムが実用化できることを確認した.
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