直径500μm以下のガラス棒(光ファイバを念頭においている)に対して、金属材料用の旋盤に類似したマイクロ旋盤加工法を確立する。これまで特殊な目的のために蓄積された個々の技術を統合し、各種の加工法に簡便に対応できるような汎用性のあるシステムを構築することが本研究の最終的な目的である。ドライエッチングによる突ききり加工およびテーパー加工、ウェットエッチングを用いた簡便な旋盤加工、ファイバコア部の芯だし加工を実現してきた。今年度は最終年度であり、以下のように実験を行い、研究をまとめた。 1.ウェットエッチングとドライエッチングを組み合わせ、細径加工の時間短縮をはかった。 2.旋盤のバイトにあたるマスクとしてNiメッキを用いた手法を確立した。 3.マスク作成のための回転型マイクロ光造形法に関する研究を行い、20μm程度の間隔で、周期的な同軸円筒のマスクを製作することに成功している。また、微小球の3次元光トラップに成功し、光ファイバの任意の部分に1μmのマスクを施すことができるようになった。 4.ウェットエッチングとレーザアシストを組み合わせ、He-Cdレーザの照射スポットが選択的にエッチングされていることを確認したが、旋盤加工に取り入れるためには、解決しなくてはならない問題があり、現在のところ実用的ではないものと考えられる。 5.位置決めなど多くはパソコン制御されているが、切削をリアルタイムでモニタリングすることはできず、時間管理によるものである。 6.これまでの加工法について論文に纏め公表した。(2005年5月掲載)
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