研究概要 |
1.高周波・広帯域電磁妨害波の測定法に関する検討 EMC対策部品の高周波化に伴い,その効果を測定・評価するための測定系にも広帯域にわたって一様な特性が求められる.本研究では広帯域の電磁妨害波測定において重要な誤差要因であるアンテナ特性について検討を行い,広帯域アンテナ使用時の誤差要因や誤差量を明らかにした.(論文(1)).また,広帯域アンテナの感度の校正方法について検討した.大地面に電波吸収体を敷設する方法(論文(2)(5)),およびアンテナインピーダンスのアンテナ高を走査した際のアンテナインピーダンス変化を用いる方法(論文(3))を新たに提案し,それらの有効性を示した(論文(2)(3)(5)). 2.電子機器用フェライトコアの高周波特性に関する研究 現在,市販されている電子機器の電源線には,電源線と機器との接続近傍に小型のフェライト製円筒(フェライトコア)が装着されている.しかしながら,このフェライトコアが電源線を伝導する雑音電流に対してどの様な効果があるか,十分には明らかになっていない.本研究では,フェライトコアが装荷された伝送線路の高周波減衰特性について,伝送線路理論および電磁界解析手法による検討理論を行い,また,実験結果との比較検討を行った.その結果,フェライトコアによる減衰特性を精度良く評価できる測定法を明らかにすると共に,フェライトコアによる減衰の材料定数依存性,コアの最適配置法などを明らかにした.(論文(4),(6)).
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