研究概要 |
平成15年度は、高周波誘導加熱による舶用ディーゼル排気ガス浄化の研究として、1.排気ガス浄化用フィルタ構造および材料の検討、および2.高周波誘導加熱電源としての最適な高周波インバータの開発と設計・製作、さらに3.小型ディーゼル機関の排ガス捕捉と、フィルタの誘導加熱による再生処理実験を実施した。1.に関しては、平成14年度に開発した円筒状DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)をベースに、フィルタの材料として、特殊金属の繊維状のものを採用し、構造上の改良を加えて、ディーゼル機関への背圧を抑制しながら、効率良く粒子状物質(PM)を捕捉できるようにした。2.の高周波インバータに関しては、複合共振を利用した、フルブリッジZCS高周波インバータの新しい設計法として、低入力電圧でも、大電流駆動が可能となる回路設計法を確立するとともに、始動から定常状態に至るまで、全ての動作モードにおいて、確実にZCS動作としてのソフトスイッチングが可能なディシタル制御回路を開発した。1,2の結果を踏まえて、本研究の最終段階として、3.の実験を実施した。実験においては、捕捉したPMの確実な誘導加熱による燃焼に基づき、DPFの再生処理実験を繰り返し実施した。その結果、開発したDPFの誘導加熱再生処理実験結果から、再生処理におけるフィルタの最適な加熱温度と、所要電力量の関係を明らかにするとともに、確実なPMの捕捉及びフィルタの再生処理が実現できた。今度は、さらなる大容量化に向けての研究を実施する。
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