研究課題/領域番号 |
13650314
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
大坪 昌久 宮崎大学, 工学部, 助教授 (90041011)
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研究分担者 |
成 烈文 宮崎大学, 工学部, 助手 (50304837)
本田 親久 宮崎大学, 工学部, 教授 (20037881)
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キーワード | 高圧カットアウト / 限流型ヒューズ / ステンレス / コロナ放電 / 消弧チューブ |
研究概要 |
配電系統などのスイッチとして用いられている高圧カットアウトは、定常的使用時に雷サージなどの異常電流からトランスなどの機器を保護するための銀エレメントを用いたヒューズを内蔵している。このヒューズは碍管が汚損した場合に、高い電界にさらされるためその表面にコロナ放電が発生し、その熱で表面が脆くなることがある。そこで、本研究ではコロナ放電が発生しても劣化しない材質を検討すること,またこのヒューズの溶断後に発生するアークを抑制するためのチューブ(消弧チューブ)が設置されているが、この材質としてはフッ素(F)を含むポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が用いられているが環境問題を考慮して、フッ素を用いない材料を開発することなどを目的としている。また、構造を簡単にすることによるコストの削減も目的の一つである。そこで、平成13年度は、ステンレス線を用いたエレメントを試作し、その特性を調べた。試作したヒューズは、中央部を他の部分より細くした構造となっており、数kAのサージ電流を印加した時の溶断過程は、イメージコンバータカメラによる観測からその中央部から溶断していることを確認した。このことは放電の熱がヒューズ管の中で均一に広がり、その設計強度の低下に寄与するものと考えられる。このヒューズの溶断時の電流と溶断までの時間を示す溶断特性(I-t特性)は、これまで用いられている銀エレメントヒューズの場合とほぼ同様の特性が得られることを明らかにした。現在、続流遮断を遮断するための設計と特性の改善について研究中である。今後、環境問題についても検討して行く予定である。
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