研究概要 |
台風気象情報から、鹿児島県各営業所ごとの、条径間電線被害数や支持物被害本数等の正確な設備被害予測ソフトの開発を行う。このため、回帰,RBF(ラジアルベイシス関数),ACF(自動抽出関数)モデルなどを基に、ニューラルネットワークやGA(遺伝的アリゴリズム)による理論を駆使した新しいコンピュータ用予測ソフトを構築することを、目的としている。このため、本年度は主に以下を実施した。 1.データの収集と整理:1988年から1997年まで鹿児島本土に接近した17個の台風の気象庁発表の台風情報と、その台風被害状況を整理した。 2.入出力データの選定・改修・規格化:気象庁発表の台風情報から、台風被害予測のための入力として、x1(hPa):中心気圧、x2(m/s):風速、x3(km/s):進行速度、X4(km):暴風半径、X5:位置などを考える。出力としては、y1:条径間電線被害件数、y2:支持物被害本数を選ぶ。なお入力情報は時々刻々変化し、被害は地域毎の特長がみられる。そこでこれらの関係を効率的に表現するため、進行経路をガウシャン関数ネットワーク、および入力バラメータ選定をGMDH法を用いた。これらは極めて有効であることがわかった。一方、入出力の規格化は線形変換だけでは不十分で、効果的な非線形変換の必要性もわかった。 3.予測器の設計:上記2.の下に、回帰・RBF・ACFモデル等を使った新しいコンピュータ用予測法を研究し、シミュレーション実験を行りている。 全般的に、本年度1年間で被害予測法の改善がかなりなされたが、実用にはまだ不十分であり、さらに一層の研究開発が必要である。
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