研究概要 |
台風気象情報から、鹿児島県各営業所ごとの、条径間電線被害数や支持物被害本数等の正確な設備被害予測ソフトの開発を行う。このため、線形と2次非線形回帰,RBF(ラジアルベイシス関数),ACF(自動抽出関数)モデルなどを基に、ニューラルネットワークやGA(遺伝的アリゴリズム)による理論を駆使した新しいコンピュータ用予測ソフトを構築することを、目的としている。このため、本年度は主に以下を実施した。 1.データの収集と整理: 1988年以降、鹿児島県本土に接近した台風の気象庁発表の台風情報と、その台風被害状況を収集した。そして各営業所地域ごとの被害予測ソフトが構築可能な形に整理し直した。 2.入力データの選定と改修: 気象庁発表の台風情報から、台風被害予測のための入力として、X_1(hpa):中心気圧、X_2(m/s):風速、X_3(km/s):進行速度、X_4(km):暴風半径、X_5:位置などを考える。出力としては、y1:条径間電線被害件数、y2:支持物被害本数などを選ぶ。なお入力情報は時々刻々変化し、被害は地域毎の特徴がみられる。そこでこれらの関係を効率的に表現するため、進行経路をガウシャン関数ネットワーク、および入力パラメータ選定を2次多項式のGMDH法を用いた。これらは極めて有効であることがわかった。なお少ない情報量のため、効果的な入出力データの一層の改築が必要であることもわかった。 3.予測器の設計: 上記2.の下に2次多項式・線形回帰・RBF・ニューラルネットワークモデル等を使った新しい2段階予測法を研究し、シミュレーション実験を行っている。 全般的に、本年度1年間で被害予測法の改善がかなりなされたが、実用にはまだ不十分であると思われる。実用化をさらにおし進めるため、ITやGPSをも駆使した一層の研究開発が必要であろう。
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