昨年度はデータマイニング手法において効果的なな回帰2進木によって、入力データをクラスターに分類した後、各クラスターにおいてニューラルネットの1種の多層パーセプトロン(MLP)を構築したが、本年度では、上述の手法においてニューラルネットのMLPの代わりに簡略ファジィ推論を用いる手法を研究した。回帰2進木と簡略ファジィ推論を融合するモデルと回帰2進木とMLPを融合するモデルを比較した結果、回帰2進木と簡略ファジィ推論を融合するモデルは、回帰2進木とMLPを融合するモデルよりも平均誤差と最大誤差において良好な結果を得た。 また、本研究では、データの類似性に着目する予測法について研究した。データ分類法として初期値に依存しない大域的クラスタリングである決定的アニーリング(DA)クラスタリングを使用して、入力データを分類し、各クラスタ毎にラジアル基底関数ネットワーク(RBFN)を用いて翌日最大電力負荷予測を行う手法を研究した。RBFNは、入力層、中間層、出力層の三層から構成され、入力層と中間層の間の重みは全て1であり、また、中間層と出力層の間にはある重みが存在する。中間層において入力層から得た信号がラジアル基底関数で非線形変換される。すなわち、RBFNは、複数のラジアル基底関数の重み付き線形和で表現されるニューラルネットである。MLPと比較して、非線形性近似能力が高く、学習時間が少なくてよい長所がある。
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