電力系統に多数分散して接続され相互の高調波を低減しあうスイッチング電源の研究

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13650321
• 研究機関: 中部大学
• 研究代表者: 松井 景樹 中部大学, 工学部・電気工学科, 教授 (70131167)
• キーワード: 高調波 / 電力系統 / スイッチング電源 / 分散 / 相互干渉 / 低次高調波 / 高調波低減 / 入力コンデンサ

研究概要

本研究におけるスイッチング電源では高調波の位相を異にする他の電源と電力系統で多数分散して接続される場合においては、これら電流高調波は互いに低減し会うことができる。このようなことから多数分散したスイッチング電源等の負荷装置が必要である。これらの特性は電力系統のインピーダンスで大きく左右されるため試作を含めた実験的検討が極めて重要になる。本研究では入力コンデンサCを種々変化させて、あるいは他のものはリアクトルの値を種々変化させて多くの実験的方式あるいは又理論的方式でも検討を行った。しかしながら,Cの減少の場合ではDCリンク電圧回路の電圧波形には電圧リプルが生じ,この影響による出力電圧に対するリプルも発生した。
すなわち、このリプル電圧は外乱として出力波形に加わり、出力電圧のリプル補償をトランス巻数比増加による方式を確立して行った。また電力容量を大幅に変化させた場合の同様な効果も検証した。これまで報告してきた研究においては、PWM方式やフィードフォワード方式、トランスの巻数比を増加する方式等で検討されているが、新たなリプル補償を行う方式等も開発した。これらの結果をもとに本申請方式においては、これら装置の試作・開発を行った、実験において多数分散して存在する負荷の相互干渉の実験を行った。
以上の方針のもと、新しい回路方式の試作・開発を行い、これらを多数台系統に接続し実験を行うとともに、検証と評価を行った。

研究成果

• [文献書誌] Ryuji Ishida, K.Matsui: "Various Harmonic Characteristics of SVC using NPC-PWM Inverter"Proceeding of The IEEE International Symposium on Industrial Electronics. IEEE-ISIE-2001. vo.1. 465-470 (2001)
• [文献書誌] Shinji Yamamoto, K.Matsui: "Application of a Five-Level PWM Inverter to SVC"Proceeding of The IEEE International Symposium on Industrial Electronics. IEEE-ISIE-2001. vo.1. 471-476 (2001)
• [文献書誌] I.Yamamoto, K.Matsui: "A Power Factor Correction with Two-input Current mode Using Voltage Doubler Rectifier"Electrical Engineering in Japan. vol.137. 52-58 (2001)
• [文献書誌] K.Matsui, I.Yamamoto, K.Tsuboi, F.Ueda: "An Analog Harmonic Analyzing Meter using PLLs"Proceedings of IEEE-IECON 2001. vol.1.. 539-545 (2001)
• [文献書誌] K.Matsui, N.Ishigure, F.Ueda: "On-line Impedance Meter to Measure the Impedance of Distribution Line using Inverter"Proceedings of IEEE-IECON 2001. vol.2. 1230-1236 (2001)
• [文献書誌] I.Yamamoto, K.Matsui, K.Ohtsuka, Y.Yao.: "A Novel Three Phase Diode Rectifier with LC Resonance in Commercial Frequency"Proceedings of IEEE-IECON 2001. vol.2. 1350-1356 (2001)
• [文献書誌] 松井, 今井孝二他: "パワーエレクトロニクス-ハンドブック"R&Dプランニング. 1196 (2002)