研究課題/領域番号 |
13650329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
佐々木 克孝 北見工業大学, 工学部, 教授 (80091552)
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研究分担者 |
川村 みどり 北見工業大学, 工学部, 助手 (70261401)
阿部 良夫 北見工業大学, 工学部, 助教授 (20261399)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | Hf陽極酸化膜 / Zr陽極酸化膜 / Ta-Zr合金陽極酸化膜 / 薄膜キャパシタ / Schottky伝導 / Poole-Frenkel伝導 / 高誘電率化 / 高耐熱キャパシタ |
研究概要 |
タンタルと対をなして固溶体合金を作製しようとしているHfやZrの陽極酸化膜の諸特性については、近年high-k材料として注目されてるにも拘らず、その詳細は充分に明らかでない。そこで最初に、Hf及びZrの陽極酸化膜について、X線回折の検討と共に、そのキャパシタ特性と漏れ電流特性について基礎的検討を行った。その結果、Hf及びZrのいずれの場合にも、Ta陽極酸化膜より優れたキャパシタ特性が得られることが明らかとなった。加えて、Hf陽極酸化膜の電気伝導機構はSchottky伝導に従うが、Zr陽極酸化膜のそれは、Poole-Frenkel伝導に従うことが知られた。同時に、熱的安定性の点から両者を比較したところ、Hfの方がZrの場合よりも優れていることが明らかとなった。 次に、固溶体としてのTa-Zr合金に着目して陽極酸化膜キャパシタを作製し、そのキャパシタ特性と漏れ電流特性を酸化膜厚の低減の効果と耐熱性との関連から検討した。その結果、均一な複合酸化物が得られるばかりでなく、Taの場合より高耐熱化が可能となり、加えて、薄層化を図っても高誘電率な特徴を保持したまま、低損失キャパシタが得られることが明らかとなった。この事に関連して、Zr陽極酸化膜自体の耐熱性は、Taのそれより幾分優れている程度にすぎないにも拘らず、Ta-Zr合金とすることで夫々が単体状態にある場合よりも高耐熱化が可能となった理由は、合金化に伴う効果と、電気伝導機構がPoole-FrenkelからSchottkyに変わることと密接に関連するものと推察した。以上の結果は、信学論誌とJJAP誌に計3編の学術論文として公表した。
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