研究課題/領域番号 |
13650346
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
塩嵜 忠 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (80026153)
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研究分担者 |
武田 博明 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (00324971)
西田 貴司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (80314540)
岡村 総一郎 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (60224060)
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キーワード | 圧電材料 / 結晶作製 / チョクラルスキー法 / 表面波デバイス / 結晶構造 |
研究概要 |
本研究ではランガサイト(化学式La_3Ga_5SiO_<14>、LGS)型結晶と呼ばれる圧電材料に着目している。このLGSは水晶に比べ電気機械結合係数が大きく、また周波数温度依存性がLiTaO_3より小さいため次世代デジタル通信機器用圧電材料として有望である。本年度はLGS結晶と同構造をもつ新規組成のランガサイト型結晶Ba_3MeGa_3Si_2O_<14>(Me=Nb, Ta : BNGSおよびBTGS)の合成を試みた。BNGSおよびBTGS共に酸化物原料から固相反応法で作製した結果、ランガサイト型単相となることが分かった。次に、回転引上げ法にて単結晶の作製を試みた。原料に化学量論組成混合粉末を用い、坩堝は50mmφPtルツボ、引上速度1mm/h、結晶回転数10rpmの条件で作製した。作製したBTGS結晶において内部にインクルージョン及び気胞等のマクロ欠陥が見られず、BTGS単相のみ得られたことから、調和融解することが示唆された。一方、BNGSにおいては不透明な結晶が得られた。X線回折により結晶中に不純物が含まれていることが分かり、且つその不純物が作製初期から観察されたことにより、BNGSは非調和融解することがわかった。単結晶X線結晶構造解析の結果からBaは酸素8配位の十面体席、Nb及びTaは酸素6配位の八面体席、Gaは酸素4配位の四面体席、Siは酸素4配位の小さい四面体席に規則的に分布することがわかった。弾性表面波評価から求められた電気機械結合係数はLGSより大きい値であった。以上のことからBTGSはLGSに比べ高価な原料であるGa_2O_3使用量を40%も減少させ、且つ圧電特性が向上することからランガサイト型圧電単結晶の中で有望な材料であることが分かった。今後、デバイス化を目指し研究を行っていく。
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