本年度の研究成果は以下の通りである。 1.ポリシリコン製のスペーサーによりダイヤフラムと光ファイバーとの間に数μmのギャップを形成するため、シリコン基板をエッチング後ポリシリコンでこれを埋め、CMP(化学的機械的ポリッシング)法によりスペーサー以外の部分を除去する方法を開発した。これにより、ダイヤフラム反射面を鏡面状態に仕上げることが可能となった。また、スリーブ形成にはシリコンを垂直にエッチングすることが必要であるが、SF_6を用いたCCP(容量結合型プラズマ源)によるリアクティブイオンエッチングを用いて、サイドエッチの少ない形状を得ることが可能となった。 2.スリーブ付きダイヤフラム圧力センサを、光ファイバ端面に装着し、固定する方法を開発した。具体的には顕微鏡下で、xy微動テーブル上に設置したダイヤフラムのスリーブ内に、上下微動機構に固定した直径125μmのハーフミラーを形成したマルチモードの光ファイバを挿入する。次に紫外線硬化樹脂を充填したマイクロシリンジにガラスマイクロキャピラリを装着し、スリーブの周囲に紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線照射により両者を固定する。 3.圧力センサを装着した光ファイバに1.3μmのレーザ光を1×2構成の光カップラを通じて入射し、ダイヤフラムからの反射光を光検出器に入射した。ダイヤフラムに圧力を加えた結果、0〜150mmHgの圧力に対し、干渉光の正弦波応答を示し、理論通りの動作が得られ、生体用の血圧測定用の用途として必要な性能が得られた。
|