研究課題/領域番号 |
13650372
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
宇佐美 興一 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60017407)
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研究分担者 |
後藤 俊成 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (70017333)
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キーワード | 冷陰極 / 微小電子源 / トンネルエミッタ / 電子放出 / アレイ化 / ディスプレイ / プラズマ酸化 / Si酸化膜 |
研究概要 |
室温で動作する微小冷陰極電子源を開発し、これを用いた微小ブラウン管をアレイ化し画像表示素子とすれば高輝度、高画質のフラットパネルディスプレイが構成できる。この目的のための冷陰極としては、トンネルエミッタやフィールドエミッタが代表的であるが、前者は作製プロセスが簡単でしかも低電圧で動作し、電子放出面に電界の集中によるイオン衝撃が少なく長寿命が期待できる。この研究は、このような特長を持つトンネルエミッタを試作し実際に発光素子へ応用しようとするものである。今年度は、トンネルエミッタの電子放射効率の向上と、昨年度作製した真空チャンバ内で素子の発光を顕微鏡観測できる装置を作製した。その結果をまとめると次のようになる。 1.トンネル絶縁膜の検討 試作した誘導形高周波プラズマ酸化装置を用いて、Si基板を酸素プラズマにさらすことにより基板加熱なしで薄いSi酸化膜を形成した。このとき、石英管中のプラズマ発光の状態によって酸化膜表面のモフォロジーが変化することがAFMの観察によって評価できたので、凹凸の少ない平坦な絶縁膜が形成される酸化条件を求めた。さらに、この膜をアニール処理し、耐電圧の高い絶縁膜が得られる条件を見つけた。 2.トンネルエミッタの特性評価と発光素子の作製 プラズマダメージの少ない酸化条件で作製した、厚さ14〜40nmの酸化膜をトンネル絶縁膜として用い、1mm×1mmの電子放射面積を持つトンネルエミッタを試作した。ターボ分子ポンプを用いた高真空排気系により10^<-4>Pa以上の真空度に排気したチャンバ内で放射電流をエレクトロメータで測定した結果、18Vの素子電圧で7.4μA/mm^2のエミッション電流が得られ、放射効率も0.5%と良好な特性が得られた。この素子を用いて、NESAガラスをこれくたーとする発光素子の試作を行った。
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