研究概要 |
1.ナノ構造人工格子複合膜媒体の磁気異方性エネルギー,異方性磁界,保磁力と磁化反転機構の解明. スパッタ法によりC,Si下地層の上に[Co/Pd]_n人工格子を形成した複合膜媒体は,(1)非常に大きな垂直磁気異方性をもちながら同時に,(2)粒間の磁気交換結合が減少し,磁区が微細化され,(3)磁化反転モードが磁壁移動型(下地層無し)から磁化回転型(下地層あり)に変わり,(4)Hc(⊥)およびHc(⊥)/Hkが増大することが分かった. 2.同媒体の媒体構成と記録再生特性,ノイズ特性の基本データの収集. (1)C,Si下地層を導入することにより[Co/Pd]_n/C,Si媒体の再生出力が増大し,磁区が微細化され,ノイズが低減した.これらは1項で述べた下地層導入による磁気特性の改質の結果であることが明らかになった. (2)Si下地層と人工格子膜[Co/Pd]_nの間にPd極薄層(3nm)を付与することによりHc(⊥)およびS/Nの増加が得られることを見出した. (3)媒体磁気特性,記録再生特性に文寸する媒体の微細構造の制御のための基礎的知見を得るために,人工格子膜と下地層との間のナノメータオーダの界面の微細構造解析法を検討している.また微細構造と磁気特性,記録再生特性との関連について調べている. 3.同媒体の記録再生特性解祈解法の検討(平成14年度以降)に入る準備として,同媒休に適合する記録ヘッドの磁界解析法を検討し,モデル化を行い,具体的な解析解を得た.また1,2項の結果を基に記鐸再生特性解析のための媒体の磁化反転モデルを検討した. 4.同媒体のノイズ源のモデル化とノイズ評価理論(MRヘッド検出)の検討に入った.(本格的検討は平成14年度に行う).
|