研究概要 |
本年度では、日中間のモデル遠隔教育システムの設計を中心とし、システム環境の整備、各種メディアの入力とメディア情報の特徴抽出と記述にっいて検討を行った。また、入力された各種コンテンツのID情報に基づく効率的なデータベースの構築に関する検討を行った。その中で,静止画の圧縮符号化、検索効率において良好な結果が得られた。また、これらの手法に基づく静止画蓄積・検索システムを構成し、シミュレーション実験を行った。さらに、システム評価と実用性を検証するため、Web上にマルチメディア講義アーカイブシステムを構築した。今年度で得られた成果は以下の2点である。 1、相関特徴に基づくカラー画像の可逆圧縮手法の提案 可逆静止画像圧縮の技術は,高品質の画像記述・伝送において重要な役割を果たしている.更にリアルタイムマルチメディアシステムにおいては,圧縮比率と処理スピードの2点が重要な評価項目とされる。そこで、本研究では画像の画素及び色構成の相関特徴を用いて,簡単な予測モデルを提案した.また予測値を修正するために,ニューラルネットワーク手法を利用することによって,予測値の収束値を最小化し動的でかつ小さな有効範囲を求める。コーディング部分においては,そのアルゴリズムが高性能及び高い圧縮比率を得ることを目的として,RICE手法を選択した.比較実験の結果からは,提案手法が既存アルゴリズムより高い圧縮比率を持っていることを示した.更に,処理スピードにおいても,JPEG-LSに比して高速性を実現した。 2、OSに依存しないWeb上マルチメディア教材アーカイブシステムの構築 各学校で利用しているシステムが不特定であるという点に注目し、OSに依存しないシステムを検討した。既存技術として、ASP+DCOM、JSP+EJB、PHPなどと比較し、最終的にJSP+EJPのOS非依存、拡張性とWeb開発可能、安全性を持つなどの特徴を利用し、プロトタイプのマルチメディア教材アーカイブシステムを構築した。
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