研究概要 |
任意形状,任意運動に適用できる数値解析法である移動境界適合座標系を用いて様々な数値解析を行い,理論解との比較を行ってきている。この手法ほ格子生成法に時間因子を導入した座標変換法で複雑な物理座標系を数値計算のための計算座標系に変換した後,FDTD法で数値解析を行う方法である。今回は移動物体の近傍界に注目し,準静止界の他,高速の場合にも適用できるよう2次の近似解までを考慮した座標変換法を用いて解析を行った。具体的には,運動する物体に入射した電磁波の近傍電磁界と静止物体の近傍電磁界を比較する。これまで高速の場合にも適用できる時間変換式を導入した数値解析法を提案してきているが,この変換式をさらに検討し,より一般性を持たせた定式化を行った。この結果は,2001年7月にPIERS2001(Progress of International Electromagnetic Research Symposium)で,2001年8月にFESS-MMNA01(Far-Eastern School-Seminar on Mathematical Modeling and Numerical Analysis)で発表し,これらをまとめた論文が論文誌Telecommunications and Radio Engineeringに2002年5月掲載予定である.さらに,もう一方では,この手法をミリ波・準ミリ波通信のためのMEMSデバイスの解析に適用できると考え,解析を行ってきている.この成果は,2001年9月の電子情報通信学会ソサエティ大会,2001年10月の電気学会電磁界理論シンポジウムで発表した.さらに,2002年3月にACES2002(Applied Computational electromagnetic Society),2002年6月にIEEE AP-S/URSI2002(Antennas & Propagation Society/the International Union of Radio Science)で,2002年7月にPIERS2002(Progress of International Electromagnetic Research Symposium)で発表予定である. このように,運動する物体に対する電磁界解析が移動通信の分野だけでなく,ミリ波,マイクロ波デバイスの設計にも必要とされてきているため,これらの設計や解析に必要な研究であるといえる.
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