1 正整数のユニーバーサル符号化において、符号化したい正整数nの通常の2進数表現でのビット数を、等比数列を基にしたグループ化方式で符号化して前置する形の、非再帰型の正整数符号を提案した。実用的によく現れる範囲(例えば1〜10億程度)の正整数だけでなく巨大な正整数でもよい符号化性能を有することを示した。符号語間で、長さ順、辞書式順序、値順のいずれも保存するという性質も有する。計算量は0(log n)である。 2 正整数のユニバーサル符号化において符号語長のオーダーを理論的にどこまで小さくできるかという問題については、Ahlswede-Han-Kobayashiによって示された、修正した対数スター関数を用いた式や、更にそれを定数個連ねた形の式で表された符号語長が、これまで知られている符号語長の中で最も短いオーダーであった。 (1)符号語長の上界をもし対数スター関数と定数差に抑えるとき、その定数は2でよいことを示した。 (2)Ahlswede-Han-Kobayashiによって示された修正対数スター関数を用いて表された符号語長関数に対して、符号語長を表す式の項の数を再帰的に表現する形を採ることで、理論的に可能な符号語長のオーダーはこれまで知られているよりも更に少なくとも一段階短いものであることを示した。 3 可算無限数の正整数をグループ分けして、正整数をグループ番号とグループ内の通し番号で表すグループ化方式の正整数のユニバーサル符号の考え方を用いて、画像のフラクタル表現における輝度と明暗というふたつの実数値パラメータをそれぞれ整数値でグループ化し、階調値のずれ方のメカニズムを明確にして、画像の可逆フラクタル表現が具体的な2値符号化までを含めて原理的に可能であることを初めて示した。
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