研究概要 |
平成13年度の研究計画は,大別すると以下の3つであった. (1)周期係数離散時間システムに対して,不変部分空間の性質を詳細に調べ,動的補償器を用いたシステムの基本的な構造を明らかにし,外乱除去可能ならしめる動的補償器の次元について詳細に調べる. (2)不確かな周期係数離散時間システムに対する一般化された不変部分空間の概念を定義し,基本的な事実を証明する. (3)不確かな周期係数離散時間システムにおいて,状態フィードバックおよび静的出力フィードバックを用いた外乱除去問題を定式化しその可解条件を調べる. その結果,(1)については,不変部分空間に基づいて,動的補償器を用いたシステムの基本的な構造が明らかにされ,従来の研究成果を上回るより低い次元の動的補償器を用いた外乱除去の可能性が調べられた.(2)については,一般化された不変部分空間の概念が定義され,いろいろな性質が調べられた.さらに,(3)については,不確かな周期係数離散時間システムにおいて,状態フィードバックおよび静的出力フィードバックを用いた外乱除去問題が定式化され,その可解条件が得られた.これは,従来の不確かな時間不変線形システムの結果の拡張になっている.以上得られた結果は,国際会議および学術雑誌にて発表された.
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