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2001 年度 実績報告書

脳内深部温度連続モニタ用無侵襲温度分布計測システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 13650460
研究機関静岡大学

研究代表者

杉浦 敏文  静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (20135239)

研究分担者 沖田 善光  静岡大学, 大学院・電子科学研究科, 助手 (60270310)
木村 元彦  静岡大学, 工学部, 助教授 (20195382)
キーワード脳内温度分布 / 無侵襲計測 / 低体温療法 / 新生児 / 脳障害後遺症 / ラジオメータ / 熱雑音 / 較正実験
研究概要

新生児・未熟児の低酸素虚血症に起因する死亡や脳障害後遺症の防止に低体温療法が検討されているが,この療法の進展・評価には脳深部温度の無侵襲且つ連続的な監視が必要となる.静岡大学では多周波マイクロ波ラジオメトリの原理を使った脳内温度分布無侵襲計測法が研究されている.この方法は,生体から自然発生する極微弱な熱雑音電磁波を体表に置いたアンテナで受信・増幅し,適切なデータ処理法により温度分布を求めるものであり,雑音の中から雑音を拾うという非常に高度な技術が要求される.システムは,1.2,1.65,2.3,3.0,3.6GHzの五つの高感度ラジオメータ受信機,基準雑音源,アンテナ及び制御回路等からなる.
本年度は,五つのマイクロ波受信機の内,既に製作済みの1.2,1.65GHzに加えて,2.3,3.0,3.6GHz帯の三つのラジオメータ受信機を製作した.さらに各ラジオメータ受信機を単独で制御するプログラムを開発するとともに,そのために必要な周辺回路(バッファ回路,定電圧回路,定電流回路,電源回路)を五周波分製作した.システムの操作性を向上するためにグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)を重視し,制御プログラムはVisualC^<++>によって構築した.1.2,1.65GHz帯を加えて五つの受信機の較正実験を単独で行い,温度分布推定に必要な輝度温度分解能として,それぞれ0.87200,0.64788,0.11796,0.15013,0.12363℃を得た.この輝度温度分解能を用いて温度分布推定シミュレーションを行ったところ,表面から5cmの脳中心部における温度推定信頼区間は2.57℃となった.目標とする約1℃とはまだかなり差があり,今後各ラジオメータ受信機の外来雑音・熱絶縁対策を徹底し,受信機の安定度の一層の向上が必要である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] J.W. Hand: "Monitoring of deep brain temperature in infants using multi-frequency microwave radiometry and thermal modeling"Phys. Med. Biol. 46・8. 1885-1903 (2001)

  • [文献書誌] T.Sugiura: "Influence of tissue conductivity variation on noninvasive brain temperature measurement by multifrequency microwave radiometry"Digest of Asia-Pacific Radio Science Conference. 412 (2001)

  • [文献書誌] G. Mukumoto: "Development of a five-band microwave radiometer system for non-invasive measurement of deep brain temperatures"Proc. of JICAST 2001. 37-40 (2001)

  • [文献書誌] 丸山享子: "マイクロ派ラジオメトリによる新生児脳深部温度計測のデータ解析法"第16回生体・生理工学シンポジウム論文集. 185-186 (2001)

  • [文献書誌] 杉浦敏文: "マイクロ波ラジオメトリによる脳内温度分布無侵襲計測の可能性"第40回日本エム・イー学会大会論文集JJME Suppl. 39. 564 (2001)

  • [文献書誌] 椋本 豪: "脳内温度モニタ用多周波マイクロ派ラジオメータの開発"平成13年度日本エム・イー学会東海支部学術集会予稿集. 31 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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