研究概要 |
触覚による外界センシングは移動ロボットにとって重要な役割を担っている.能動触角は触角に運動機能を付加した触覚センサで,触角が外界と接触したときの接触情報から外界を認識するものである.従来の能動触角に装着されたセンサは触角に生じるトルクを測定するもので,力と接触位置を独立に測定できなかった.また,このセンサはアナログ出力のものが主流でノイズの影響を受けやすく,ノイズ対策用のフィルタを使用するため帯域幅が制限される欠点があった.前回受けた科学研究費により,これらの欠点を克服した力と接触位置を独立に測定できる水晶振動子式力センサを開発した.これは耐ノイズ性のある広帯域のセンサである.本研究課題では,この水晶振動子式力センサを装着した能動触覚を用いて外界センシングの研究をつぎのように実施した. 平成13年度には,水晶振動子式力センサを装着した触角とその駆動装置の作製および信号処理装置の設計と製作を行った.また,これらを組み合わせて外界センシングシステムを構築した.これは接触位置と接触力を独立に測定できるシステムである. 平成14年度には,平成13年度に作製した熊動触角と外界センシングシステムの改良を行い,本システムのアルゴリズムも確立した.この外界センシングシステムを用いて外界の2次元形状センシングを実施した. 平成15年度には,平成14年度までに構築した外界センシングシステムをハード的に改良すると同時に,アルゴリズムの改善も進め,本システムを用いて3次元形状セシシングを実施した. 以上により所期の目的が達成できた.
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