研究課題/領域番号 |
13650474
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研究機関 | 大分工業高等専門学校 |
研究代表者 |
岡 茂八郎 大分工業高等専門学校, 制御情報工学科, 助教授 (80107838)
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研究分担者 |
榎園 正人 大分大学, 工学部・電気・電子工学科, 教授 (40136784)
金田 嗣教 大分工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (70040756)
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キーワード | 非破壊検査 / FC磁気センサ / 残留磁化 / オーステナイト / マルテンサイト / 平面曲げ疲労 / クラック / SUS304 |
研究概要 |
近年、資源問題等からいったん製造した機器や構築した施設を事故を防止しながら長期間使用することが強く望まれている。そこで、これを解決する基礎技術の一つとして構造用金属材の疲労の蓄積状態を確実に把握し余寿命を推定する非破壊評価技術が注目されている。そこで、我々は、ステンレス鋼などの構造用金属材の余寿命推定の確度を向上させ、重大事故の発生を事前に防ぐことを目的として、各種オーステナイト系ステンレス鋼の残留磁化をFG磁気センサを使用して測定し材料の余寿命を推定する方法研究した。オーステナイト系ステンレス鋼は、圧延後の状態では非磁性であるが、加工や熱を加えることによってオーステナイト相がマルテンサイト相に変化し磁性を持つようになることが知られている。今回の我々の研究で明らかになった点を以下に列挙する。これは、日本AEM学会の研究会などで発表され議論された結果である。 1)SUS304において、疲労被害の蓄積量を表すと考えられる・B_Zは、試料が破断する応力の場合、応力の繰り返し数の増加とともに増加を続け、ほぼ一定の値で破断に至る。一方、疲労限度直下(240MPa)の応力の場合、疲労被害の蓄積量は繰り返し初期に急増しその後一定の値に落ち着く。また、疲労限度よりも明らかに低い応力(200、220MPa)の場合は、ほとんど・B_Zは大きくならない。 2)試験片や応力の種類を本実験に限定すれば、SUS304だけでなくSUS304LやSUS316においても試料表面の・B_Zは平面曲げ応力が大きいほど、また、繰り返し回数が多いほど大きくなり、疲労被害の蓄積量を表す指標となる。 3)残留磁束密度と寿命比の関係は、同一の材料であれば繰り返し曲げ応力が異なっても非常によい一致を示す。よって、試料表面の・B_Zを指標とした残留磁化法による余寿命推定を行える可能性がある。 今後、印加応力の種類や材料を変えて実験を行い、残留磁気と疲労被害蓄積量との相関関係や疲労で誘起されると考えられるマルテンサイト相との関係から、疲労の蓄積量の正確な把握が行えるようにこの方法をさらに改良し、余寿命推定のより確かな方法を探したい。
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