研究課題/領域番号 |
13650489
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
雛元 孝夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50031141)
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研究分担者 |
土井 章充 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30294531)
棟安 実治 関西大学, 工学部, 助教授 (30229942)
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キーワード | ディジタル制御器 / 状態推定フィードバック / 閉ループシステム / 丸め誤差 / 誤差フィードバック / 係数量子化 / 係数感度 / 特性劣化 |
研究概要 |
(1)ディジタル制御器における丸め誤差に起因した閉ループ系出力雑音の低減に関する研究 状態推定フィードバックから成る閉ループシステムを対象に、ディジタル制御器における積和演算結果の丸めに起因して発生する閉ループシステムの出力雑音を、ディジタルフィルタにおける誤差スペクトル整形の技術を応用して、有効に低減する問題について研究した。すなわち、同一次元状態オブザーバとレギュレータから成るディジタル制御器に丸め誤差のフィードバックを施し、閉ループシステムの出力雑音を低減するように、誤差フィードバック係数行列を設計する方法を提案した。ここでは、誤差フィードバック係数行列が一般形の場合、対角形の場合、単位行列のスカラー倍の場合、のそれぞれについて提案した。また、ディジタル制御器が入力平衡実現形で与えられる場合についても検討した。 (2)ディジタル制御器における係数量子化に起因した閉ループ系の特性劣化の低減に関する研究 推定フィードバックディジタル制御器を固定小数点表現によって実現する場合について、このディジタル制御器の係数に対する閉ループシステム全体の伝達関数感度を、L2ノルムのみを用いて評価する関数を導いた。つぎに、この評価関数を最小化する状態推定フィードバックディジタル制御器の最適な実現法を提案した。ここでは、L2ノルムのみを用いて係数感度を評価しており、L1ノルムとL2ノルムの混成によってこれを評価する従来の方法に比べて、十分に合理的な評価関数になっている。
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