研究概要 |
(1)ディジタル制御器の丸め誤差フィードバックによる閉ループシステムの出力雑音低減化 状態推定フィードバック閉ループシステムを対象に,ディジタル制御器の丸め誤差をフィードバックすることによって,閉ループシステムの出力雑音を低減化する技術について研究した.すなわち,状態推定フィードバック閉ループシスチムに含まれるディジタル制御器に対して誤差フィードバックを導入し,閉ループシステムの出力雑音を低減化する誤差フィードバック係数行列の設計法を開発した.また,誤差フィードバックと座標変換を併用して,より効果的に閉ループシステムの出力雑音を低減化する技術についても提案した.さらに,数値例を通して提案手法の有用性について検証した. (2)正規直交梯子形フィルタ構造を用いた低感度な状態推定フィードバック制御器の命成法 線形連続時間システムで記述された制御対象に,状態推定フィードバック制御器の係数変動に対する閉ループシステムの入出力特性の偏差を評価し,正現直交梯子形フィルタ構造を用いた状態推定フィードバック制御器の合成法について研究した.すなわち,L2ノルムのみを用いて0,1要素を考慮した係数感度の評価を行い,係数行列に0要素を数多く含む正規直交梯子形フィルタ構造を用いた状態推定フィードバック制御器の合成法を開発した.0要素は回路的には非接続を意味しており,これらの要素が数多く含まれていれば回路構成がそれだけ簡単になり実現コストが安価になると共に,これらの要素はパラメータ変動を生じないために閉ループシステムの入出力特性偏差に直接影響を及ぼさない.正規直交梯子形フィルタ構造を用いて状態推定フィードバック制御器を実現した場合,制御器の閉ループシステムに対する係数感度を大幅に低減出来ることが,数値例によっても確認された.
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