片麻痺者用車椅子の走行補助装置について、制御方式についての解析、設計法及び機構面での検討、実験を行い以下のような成果を得た。 (1)IMCとLQ制御の併用系が入力端に加わる外乱を除去するのに有効であることを、車椅子の走行補助装置の制御に応用し、極めて良好な性能を発揮することを理論的、実験的に検討し、計測自動制御学会の論文としてまとめた。内部モデル制御を利用することが、片麻痺者のための車椅子走行補助システムの制御に有効であることを確認し、実用化の目途をつけた。 (2)IMCと状態フィードバックによるH∞制御の組み合わせによる制御系設計性能について、メカニカルシステムに応用し、その有効性を確認した。このことを、日本機械学会の論文としてまとめた。 (3)実用化に向け、マイコン制御による車椅子走行補助装置の設計を完了し、H8マイコンによる制御系のプログラムを完成した。さらに、電源装置、マイコン制御装置を車椅子に実装し、片麻痺者の為の車椅子走行補助システムを完成した。このことを、国際会議の報告(1編)と国内の会議報告(2編)にまとめた。 (4)路面状況、特に床面の摩擦力の影響に性能が左右されるため、昨年度製作した簡易装置を用いて、摩擦力が変化する場合の制御方式やゲイン設計について実験的な解析、検証を行った。この一部を、国内の会議報告(1編)にまとめた。
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