研究課題/領域番号 |
13650503
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
鳥居 和之 金沢大学, 工学部, 教授 (50115250)
|
研究分担者 |
奥田 由法 (株)ピー・エス, 北陸支店, 技術部長
久保 善司 金沢大学, 工学部, 助手 (50324108)
川村 満紀 金沢大学, 工学部, 教授 (20019730)
|
キーワード | PC橋 / 解体調査 / 土木技術史 / 載荷試験 / 耐久性調査 / 配合推定 / 材料試験 |
研究概要 |
平成13年度は、平成13年8月に撤去された、「長生橋」の解体調査を中心に実施し、我が国で最初のPC桁の一般図および配筋図を完成させるとともに、「長生橋」で使用したコンクリートおよびPC鋼線の品質を詳細に調べた。その後、平成13年10月に「長生橋」の撤去PC桁の曲げおよびせん断載荷の公開試験を石川県七尾市の(株)ピー・エス七尾工場にて実施した。 (1)PC桁のひび割れ、鋼材の腐食などの劣化の有無を調査した後に、携帯型鉄筋腐食診断器を使用して、PC鋼線の腐食状況の電気化学的モニタリングを実施した。その結果、コンクリートは劣化が生じておらず、中性化の進行および塩分透過もほとんどなく、コンクリート中のPC鋼線の腐食は発生していなかった。 (2)PC桁から採取したコンクリートコアを使用して、コンクリートの材料試験(配合推定、圧縮および圧裂引張強度)を実施するとともに、コンクリートの破断片および薄片試料により水和生成物および微視的内部組織の特徴を検討した。その結果、PC桁のコンクリートの水セメント比は32%と小さく、60N/mm2の高強度コンクリートが使用されていたことが判明した。 (3)「長生橋」から撤去したPC桁(中桁8本)を使用して、曲げおよびせん断載荷試験を実施し、PC桁の曲げ・せん断耐力、変形性能、ひび割れ発生荷重、有効プレストレス量を調べた。その結果、PC桁の耐荷力は道路橋示方書から計算された値を上回っており、50年が経過したPC桁の健全性を確認できた。
|