研究概要 |
1.コンクリート打継ぎ部の材齢及び打継ぎ方向の影響と水中付着破壊性状 静的および繰返し曲げ載荷試験における水の存在が打継ぎ部の付着性状に及ぼす影響について検討を行った.また,打継ぎ後の材齢および打継ぎ方向と付着性状との関係についても検討を行った.鉛直供試体の場合は,下部に比べ上部は打継ぎ部の付着強度および新コンクリートの引張強度がとちに小さくなり,その低下の程度は,新コンクリート部の引張強度に比べ打継ぎ部の付着強度で大きくなることを明らかにした. 2.コンクリート打継ぎ面の乾湿状態および養生方法と打継ぎ部の付着性状 旧コンクリートの養生方法,打継ぎ面の乾湿状態,および打継ぎ後の養生方法が打継ぎ部の付着性状に及ぼす影響について,曲げ試験,水分移動特性の計測ならびに電子顕微鏡(SEM)により,多角的に検討した.旧コンクリートや打継ぎ面を乾燥状態とし,新コンクリート側の余分な水を旧コンクリート側に吸水させることで,打継ぎ面でのセメント水和物の結晶の寸法が小さく,空隙部分の割合が少なくなり,曲げ強度も大きくなることを確認した. 3.合成RCはりの曲げ破壊性状 小型PCF(Pre-Cast Form)合成RCはりの曲げ破壊性状と付着面の表面処理程度と関係について実験的に検討するとともに,Rigid-Body-Spring-Networks(RBSN)によりPCF合成RCはりの曲げ破壊の解析を行った.PCF合成RCはりの解析の結果,界面部の引張強度や破壊エネルギーが小さいほど,界面部の剥離長さが長くなり,PCF版と新コンクリートの剛性の差がひび割れ発生範囲を小さくしている可能性を明らかにした.
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