研究概要 |
我が国における廃発泡スチロール(以下廃EPSと称す)の年間流通量は,約18.3万トンであり,約6.4万トン(35%)が回収され再資源化されているが,この6.4万トンの内,中国への輸出の依存度は6割以上と非常に高く,国内での新たな用途開発が望まれている。廃EPSの回収・再資源化過程の中間処理材である熱減容インゴット塊をクラッシャで破砕すると,密度1g/cm^3,吸水率2%程度の砕石状の破砕材が得られる。本研究はこのインゴット破砕材のコンクリート用軽量粗骨材として利用の可能性について検討した結果,以下の結果が得られた。 (1)本研究で示したプラスチック骨材を粗骨材として用いることにより,単位容積質量が1.76〜1.83t/m^3で,圧縮強度が15〜33N/mm^2程度の軽量コンクリートが製造できる。 (2)プラスチック骨材コンクリートは通常の軽量骨材コンクリートに比べ,同一圧縮強度におけるヤング係数が小さい。 (3)プラスチック骨材コンクリートの乾燥収縮は普通骨材コンクリートより大きいが,質量変化率と収縮ひずみの関係は普通骨材コンクリートの場合と同様な傾向を示す。
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