研究概要 |
本研究の目的は,表面波試験により滑走路や舗装の非破壊試験を行い,これらの舗装構造の健全度を診断するシステムを構築することである.本研究は,ハード面は表面波試験法の確立と,ソフト面は試験で得られたデータを分析し,健全度診断を診断する2本の柱からなっている. これまで,前者に力点をおき,試験法の確立を目指し,試験サイトとして東京電機大学理工学部構内,鹿島道路(株)機械センター,国総研空港施設研究室原型載荷試験槽において表面波試験を行ってデータを収集して来た.これらの試験を通して,表面波試験の特徴を整理し,衝撃荷重の与え方,表面波伝播を測定するための加速度計の配置等,について検討を行ってきた.表面波試験の仕方については見通しがついている.試験結果を比較する目的で鹿島道路(株)機械センター,国総研空港施設研究室原型載荷試験槽ではFWD試験も行っている.FWD試験については診断に必要なソフトの開発は終了している.また,東京電機大学構内では標準貫入試験,DCP試験も合わせて行っている. 表面波試験で測定したデータと既存の簡易診断法を用いて舗装構造の診断を試み,既存の診断法の信頼度を検証してきた.地盤を対象として開発された既存の方法は,そのままの形で必ずしも舗装構造の診断には適用できないことが明らかになった. 今後の目的は,測定したデータを用いて舗装構造を診断できるインバージョン法を開発することである.測定法と診断法を整備することにより,舗装構造に対して信頼できる表面波試験システムが確立できる.
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