平成13年度は、幅×全高×全長=10×16×330cmの長方形断面2スパンPC連続はりにおいて、PC鋼材径と正負曲げモーメントに対するPC鋼材径の組合わせを主要因とし、集中荷重の位置を変えて載荷試験を行い、たわみ、鋼材応力、曲げモーメント再分配、終局耐力等を軽量、普通コンクリート(設計強度f'_c=60N/mm^2)の、両部材で比較した、さらに、構成材料の応力-ひずみ関係を適切にモデル化して非線形解析を行い、各々の実験値と比較した。本研究から得られた主な結果をまとめると、以下のとおりである。 1.軽量コンクリートは普通コンクリートに比べてヤング係数がかなり小さいので、前者を用いたPC連続はりの部材剛性は後者より低下するが、PC鋼材量が少なくなると両者の差が小さくなる。 2.PC連続はりでは曲げひぴ割れの発生以後から曲げモーメントの再分配が始まるが、その再分配挙動については、軽量、普通の両コンクリート部材の間で特に明確な差はみられない。 3.中間支点における終局時の曲げモーメント再分配率は、集中荷重の載荷位置や正負曲げモーメントに対するPC鋼材量によって異なるが、両コンクリート部材の間で明確な差はみられない。 4.コンクリートの圧縮強度が同等の場合、軽量コンクリート部材は普通コンクリート部材とほぼ同等の終局曲げ耐力を有し、その算定には塑性ヒンジの生成を仮定した極限解析法の適用が可能である。 5.軽量コンクリートのPC連続はりの終局時までの曲げ耐荷挙動は非線形解析法でかなり良く算定できる。
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