本研究では2スパンPC連続はりの載荷試験を行い、曲及びせん断耐荷特性を高性能軽量コンクリートと普通コンクリートで比較し、その定量化について検討した。本研究の主な結果は、以下のとおりである。 曲げ耐荷特性に関しては、 1.軽量コンクリートはり(以下、Lはりと略記)は普通コンクリートはり(Nはり)に比べ部材剛性が小さい。 2.曲げひび割れ発生以降の曲げモーメントの再分配挙動や中間支点断面の終局時の曲げモーメント再分配率はL、N両はりの間で明確な差はみられない。 3.コンクリートの圧縮強度が同等の場合、LはりはNはりとほぼ同等の終局曲げ耐力を有し、その耐力の算定には限界断面に塑性ヒンジの生成を仮定した極限解析法を適用できる。 4.本研究で用いた非線形解析法によりL、Nはりの終局時までの曲げ耐荷挙動をかなりよく定量化できる。 せん断耐荷特性に関しては、PC構造のうち使用状態で曲げひび割れを許容するPRCはりを対象に検討し、 1.LはりはNはりに比ベコンクリートのせん断耐力(V_c)が約25%低下し、V_c到達後の耐力低下が著しい。 2.適切なプレストレス効果評価式とせん断耐力低減係数式によりLはりのV_c値をかなりよく推定できる。 3.せん断ひび割れの発生後、Nはりのスターラップひずみは土木学会コンクリート標準示方書の設計せん断耐力式で部分安全係数をすべて1.0とした値に近いのに対し、Lはりでは規定値に設定した値に近い。 4.L、N両はりのせん断耐荷挙動は修正圧縮場理論でかなり定量化できる。 5.Lはりでも非線形解析の鉄筋ひずみを基に上記示方書の曲げひび割れ幅式からひび割れ幅を算定できる。
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