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2003 年度 実績報告書

散乱波の位相特性を考慮した設計入力地震動の評価法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13650520
研究機関京都大学

研究代表者

澤田 純男  京都大学, 防災研究所, 助教授 (70187293)

研究分担者 本田 利器  京都大学, 防災研究所, 助手 (60301248)
盛川 仁  東京工業大学, 総合理工学研究所, 助教授 (60273463)
キーワード散乱波 / 地盤震動 / サイト特性 / 伝播経路 / R / Tマトリクス法 / 群遅延時間 / 位相スペクトル / フーリエスペクトル
研究概要

本研究の目的は,地殻や地盤の不均質性あるいは地層境界面の不整合などによって発生する散乱波の影響を考慮した地盤震動解析法を開発し,散乱波の位相特性を明らかにした上で,これを土木構造物の設計入力地震動に反映する方法を開発することにある.本研究における成果は以下のとおり.
(1)伝播経路における散乱特性をモデル化するために,新たに波線理論に基づいて非等方散乱を解析する方法を開発した.この方法によるエネルギ分散は,従来のエネルギー粒子法によるものと一致した.解析結果から,伝播経路において,分散群遅延時間が震源距離の二乗にほぼ比例して大きくなることがわかった.これは観測記録の特性を裏付けるものである.
(2)不均質全無限地盤中の波動伝播特性を,パラボリック近似を用いて表し,R/Tマトリクス法を組み合わせることにより,不均質多層地盤中における散乱波の発生を考慮した解析手法を開発した.解析結果から,地盤材料の不均質性による散乱の影響は,地層境界における散乱に比べると影響が小さいことがわかった.
(3)スペクトル確率有限要素法を用いて,不均質性地盤の波動伝播特性を解析する手法を開発した.本手法は分布形の情報も得られることに特徴がある.本手法による2次元波動場に対する解析結果は,モンテカルロ法とほぼ同一の結果を得た.一方,モンテカルロ法に比べて計算時間が大幅な減少させることが可能となった.
(4)群遅延時間を用いた非定常波の応答について,その最大値の確率論的特性を検討した.その結果非定常入力を受ける最大変位応答の頻度分布は漸金分布と等しいこと,フーリエ振幅スペクトルが一定値を持つならば減衰定数,群遅延時間の標準偏差を用いて1自由度系の最大変位応答の確率分布が推定できること,系の固有振動数を含む振動数帯が遅れて入力される場合の方が大きな応答を示す可能性があることがわかった.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 本田利器: "スペクトル確率有限要素法によるランダム場の波動伝播解析"土木学会論文集. No.689/I-57. 321-331 (2001)

  • [文献書誌] H.Morikawa, S.Sawada, K.Kawasaki: "Analytical Representation of Phase Characteristics for Source Time Function Modeled by Stochastic Impulse Train"Soil Dynamics and Earthquake Engineering. Vol.22. 821-828 (2002)

  • [文献書誌] 澤田純男, 片岡慶太, 盛川仁: "波線理論に基づく伝播経路の位相スペクトル特性"第11回日本地震工学シンポジウム. Vol.1. 511-516 (2002)

  • [文献書誌] 本田利器, 澤田純男: "群遅延時間を陽に含む関数を用いた時刻歴波形の展開/合成"第11回日本地震工学シンポジウム. Vol.1. 517-520 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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