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2002 年度 実績報告書

トンネル地山の支保能力の定量化によるライニング剛性の最適化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13650542
研究機関鳥取大学

研究代表者

木山 英郎  鳥取大学, 工学部, 教授 (30026067)

研究分担者 西村 強  鳥取大学, 工学部, 助教授 (90189308)
藤村 尚  鳥取大学, 工学部, 助教授 (30032030)
キーワードNATM / 地山支保特性曲線 / 2次元弾性解 / 地山強度比 / 個別要素解析
研究概要

地山支保力や地山特性曲線を定量的に取り扱う方法を確立することを目的として研究を進めた.まず,地山の支保能力をあらわす定量的な指標(ライニング支保剛性K^^-_L,地山支保剛性K^^-_E,トンネル総支保剛性K^^-_r)を提案するとともに,地盤とライニングの接触条件や掘削解放力の作用を考慮した円形トンネルの2次元弾性解を用いて,これらの定量的指標の関係を研究した.その過程では,境界面の粗さを考慮した厳密解を誘導し,埋設管のような無負荷状態からの地盤変形に応じる解(全変形解と呼ぶ)と,押し管やトンネルのような掘削以前の初期応力による地盤の変形をゼロ補正した解(初期変形補正解と呼ぶ)とを明確に区分した.さらに,その弾性解を基に,地山の支保能力とライニングの支保効果を示すトンネル支保特性曲線を構成する方法を考案するとともに,二つの解の簡明な互換性も明らかにした.
この特性曲線は弾性地盤に対するものであり,トンネル周辺に発生する応力集中に伴う地盤の塑性化や地盤内に内在する不連続性等の影響も考えておく必要がある.本研究では,弾性解析に基づく以上の考察を,ひずみ軟化を含む非線形な応力-ひずみ関係に発展させるときの考え方を個別要素解析(Distinct Element Mcthod ; DEM)による特性曲線を用いて検討した.その結果,個別要素解析例でも地盤強度に対する初期応力レベル(いわゆる地山強度比)の違いによって,トンネル支保特性曲線の特徴が説明できるとの解釈に基本的に対応する結果を得た.
地山の支保能力を利用すること自体は,トンネル設計にとって合理的な発想であるが,逆に,トンネル掘削に伴い地山の応力状態は破壊点に接近するといえる.特に,破壊点近傍にあるときは,トンネルの安定性に問題が無いか明確にしておく必要があることも示した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 木山英郎: "NATMのための地山支保力の定量化と支保特性曲線の構成-Fenner Pacher曲線の極小点は周辺地山の破壊点なのでは?-"地盤と建設. 第19巻. 1-8 (2001)

  • [文献書誌] 福田 毅, 木山 英郎, 西村 強, 風間 広志: "運動方程式の時間差分を利用した群杭井筒基礎の3次元数値解析法"地盤工学シンポジウム講演論文集. 第47巻. 263-270 (2002)

  • [文献書誌] 谷口 洋二, 西村 強, 精山 誉志, 木山 英郎: "鳥取県西部地震で発生した落石と3次元個別要素解析例"岩盤力学に関するシンポジウム講演論文集. 第32巻. 401-406 (2003)

  • [文献書誌] T.Nishimura, H.Kiyama, P.Egger, M.Hasegawa: "Numerical simulation for the stability of a stacked-drift-type tunnel"Proceedings of the 1^<st> UE Kyoto -Role of Geo-technology to the Underground Environment -. 第1巻. 269-274 (2003)

  • [文献書誌] 西村 強, 木山 英郎: "2次元弾性解と個別要素解析によるトンネル支保特性曲線の考察"材料. 第52巻第5号(掲載決定). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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