研究概要 |
本研究の目的は現行の土質力学理論を適用することが困難な土(即ち,応力履歴が不明または推定不可能で,同じ状態の供試体を準備することが難しい不均質な土)のせん断強度をより統一的な視点で評価する方法を確立することである.平成13年度は大山松江および倉吉軽石を対象とした. 平成13年度の成果 (1)前年度までに行ってきた,大山松江軽石(DMP)のせん断強度と物理的性質に関する研究成果を再検討し,考察した(地盤工学会中国支部論文報告集Vol.19) (2)鳥取県倉吉市において大山倉吉軽石の不撹乱試料を採取した.不撹乱供試体に対して一面せん断試験を圧密定圧条件で行った.試験結果に基づいて,圧密降伏応力より大きな垂直応力で圧密したときのせん断強さ-垂直応力-間隙比の関係を定式化した.その関係を基準として,圧密降伏応力より小さい垂直応力で圧密したときのせん断強強度特性を評価した.即ち、作用させた垂直応力に対応する基準間隙比からの増加量とせん断強さ増加率(=せん断強さ/基準せん断強さ)の関係を調べた.この方法によって,圧密降伏応力より低い垂直応力の下では基準間隙比より高い間隙比を有しながら基準せん断強さより大きなせん断強さを発揮するという本試料め特性が明らかになったこれは2万年というオーダーの堆積期間中に培われた続成作用(diagenesis)の効果であると推察した(地盤工学会北海道支部主催「火山灰質土の工学的性質の評価法に関するシンポジウム(平成14年9月)」にて発表予定).
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