研究課題/領域番号 |
13650545
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
柴 錦春 佐賀大学, 低平地研究センター, 助教授 (20284614)
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研究分担者 |
三浦 哲彦 佐賀大学, 名誉教授(元理工学教授), 主任研究員/佐賀大学名誉教授 (00035073)
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キーワード | 埋立地複合ライナー / 移流拡散 / 廃棄物 / 溶液浸出量予測 / 大型モデル試験 / ジオメンブレン損傷 |
研究概要 |
(1)大型モデル試験:低透水性下地土層(k=10^<-8>m/s-10^<-9>m/s程度)を用いて、2ケースの試験を行った。各ケースの試験期間は10ヶ月であった(2台の装置)。用いたジオメンブレンは厚さ1.5mmの高密度ポリエチレン(HDPE)で、土は締固めしやすい石子であった。試験したジオメンブレン損傷部の形状は:穴(半径:2.5mm)と長方形(幅:1mm、長さ:30mm)2種類であった。ジオメンブレン上の水頭は0.5mで、ジオメンブレン上の上載圧力を0-200kPa変化させ、各上載圧力での溶液浸出量を測定した。上載圧力の増加に伴って、浸出量が著しく減少することを明らかにした。 (2)解析検討:既存予測式を用いて試験結果を解析検討した結果、Giroud(1997)のジオメンブレンと下地の間に良好な接触状態の予測式は、上載圧力ゼロの時の浸出量が予測できること、全ての予測式は上載圧力の影響を考慮していないことが分かった。そして、試験結果に基づいて、以下のようにGiroud(1997)の式を修正した新しい予測式を提案した。 円形損傷の場合Q=1/((1+p'/p_a)^<3.5>)・1.12C_<qo>[1+0.1(h_w/H_L)^<0.95>]r^<0.2>_ok^<0.74>_Lh^<0.9>_w (1) 長方形損傷の場合Q=1/((1+p'/p_a)^<3.5>)・C_l[1+0.2((h_w)/(H_L))^<0.95>]w^<0.1>h^<0.45>_wk^<0.87>_L (2) ただし:Q:溶液浸出量(m/s)、p':上載圧力(kPa)、p_a:大気圧(kPa)、r_0:損傷部の半径(m)、w:損傷部の幅、k_L:ジオメンブレン下の土層の透水係数(m/s)、h_w:ジオメンブレン上の水頭(m)、H_L:ジオメンブレン下のライナーの層厚(m)、C_<qo>とC_l:補正係数、C_<qo>=0.21、C_l:0.52。 アメリカの現場観測値によって、現場でジオメンブレンライナーの損傷は避けられない。埋立地ライナーの設計に損傷部の影響を考慮する必要があり、提案予測式は有用と考えられる。
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