研究課題/領域番号 |
13650545
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
柴 錦春 佐賀大学, 低平地研究センター, 助教授 (20284614)
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研究分担者 |
三浦 哲彦 佐賀大学, 軟弱地盤研究所, 佐賀大学名誉教授(主任研究員) (00035073)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 埋立地複合ライナー / 移流拡散 / 廃棄物 / 溶液浸出量予測 / 大型モデル試験 / ジオメンブレン損傷 |
研究概要 |
ゴミ最終処分場の遮水シートとして、ジオメンブレンが幅広く使われている1998年厚生省が定めた4種類のゴミ最終処分場遮水構造の内、3種類はジオメンブレンの使用が義務付けられている。損傷しない。ジオメンブレンの透水性がとても小さいので、移流による汚染物質の拡散を防ぐ上で、ジオメンブレンの効果がきい。しかし、施工上、不完全なシーム(つなぎ合わせ)、施工中のパンチと裂く、下地地盤の整地不良によるジオメンブレンの局部変形・損傷は事実上避けられない。汚染物質は損傷部を通過して、地盤中に輸送する。設計上に、この現象を考慮せざるを得ない状況である。 ジオメンブレンに損傷がある複合ライナーの遮水性能に関する大型モデル試験を行った。試験結果に基づいて、損傷がある複合ライナーの漏水量におけるジオメンブレン上の有効上載圧力(溶液の圧力を除く)の影響及び溶液の浸出メカニズムを検討した。モデル複合ライナーは厚さ0.36mの土層と一層のジオメンブレンで構成する。モデルの直径は1.2mである。使った装置はジオメンブレンに200kPaまでの有効上載圧力をかけることができる。試験・解析結果により有効上載圧力の増加によって、漏水量が著しく減少した。その原因は有効上載圧力でジオメンブレン・下地間の透水量係数が減少したことである。ジオメンブレンと下地間に溶液が浸透していることは漏水試験後、土層中の目標イオン濃度測定によって確認した。ジオメンブレン・下地間の接触状態は、その間に隙間がない完全接触と隙間がある不完全接触に分けられる。さらに、不完全接触の場合では、良好接触と不良接触の二つの状態がある。各接触状態に適応する漏水量を予測する幾つかの既存式がある。試験値と予測値との比較により、完全接触状態は実務上に適応できないこと、不完全の良好接触状態の予測式はジオメンブレン上の有効上載圧力がゼロに近い条件での試験結果を予測できること、既存式は有効上載圧の影響を考慮することができないことが分かった。本研究の試験結果に基づいて、有効上載圧力の影響が考慮できる予測式を提案した。また、試験結果によって、ジオメンブレン・下地間の透水量係数を逆計算した。これらの数値は透水量係数を推定する場合の参考値になると考えられる。
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