平成13年11月に採択通知を受け、急ぎ研究計画の検討と準備に取りかかった。舶用レーダでの海面からの反射信号データと比較するための基準となる波高計測の具体的な方法を検討した。安価でしかも取り扱いの容易な方式として、海底に重錘から伸ばした半没水型の竿の水面位置を海岸から望遠型テレビカメラで観測し画像処理で波の高さを収録する方式と、圧力センサを使用して直接電気的に計測する方式を採用し予備実験を行った。望遠型テレビカメラで観測する方式では、500m離れた位置から4cmの変化を読み取る事ができた。さらに分解能高めるために安定なカメラ台座を準備する事で分解能を高めたい。また、水圧式波高計では比較的安価な圧力センサを組み合わせることで破損や紛失時の負担を軽減する。測定値の校正は造波水槽において行ない、さらに自動的に計測記録できるようにシステムを調整中である。レーダの観測位置と波高の観測位置とが離れる(2Km以内)ので、この間を無線LAN方式でデータを即時に伝送する観測形式を構築するよう機材の準備を進めた。観測に使用するレーダや反射信号の計測記録のための機材の整備調整を行い、機器の正常な動作を確認した。観測データの提供メディアとしてはDVDを予定しており、レーダ信号と共に観測条件や気象・海象データと観測当時の撮影映像(動画)を含める計画である。当面使用する機材の取得も済み、操作の習熟に努めている。観測計画立案中に海上保安庁でも波浪観測の計画が進行中である事がわかり同時観測の日程を調整している。
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