研究概要 |
沿岸波浪の計測として、平成14年度は新潟県上下が浜における観測を3回、静岡県御前崎で1回、霞ケ浦の湖面の波の観測および伊良湖水道における波とシークラッタの観測を各2回、九十九里海岸における観測を1回、合計8回の現場観測を実施した。これらのデータは、レーダのアンテナの旋回角度にして0.1度毎、標本化周期は2ナノ秒を基本設定として収集されている。観測範囲は、レーダの設置位置(観測用レーダ車)から約4海里(約7.5km)である。また、観測時のアンテナの高さは、観測用レーダ車を移動させて複数の高さのデータを収集することに努めている。機材の準備状況が充実してからは、風向と風速データもあり、また、観測当時の波浪の大きさおよび波向の方向等のビデオ映像もカメラで撮影しているので、これらの映像をひとつのパッケージとしてDVD, CD-Rのメディアで提供するように準備している。観測データはさらに蓄積を重ねていく予定であり、平成15年度においても現場観測できる機会を捉えて実施し、従来には得られなかったようなX波帯のレーダでの波浪観測データを研究者に提供することとしたい。観測データには船舶やブイ、小型の漁業用のブイなどを含んでいるデータもあるので、クラッタ処理アルゴリズムや波向、波高のデータ処理アルゴリズムの評価を行える標準データの作成を平成15年度の目標としている。
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