研究概要 |
1)汽水域の流動・水質調査 吉野川河口から約2kmの地点に水温計,水温・電気伝導度計,流速計を係留し,夏季(6月〜8月),冬季(11月〜1月)の2期間について塩分変動等を観測するとともに,河口からの距離0〜12km間の水質・動物プランクトンに関する縦断調査を3回実施し,汽水域の3次元流動計算のための基礎データを取得した(中野). 2)河口周辺の地形変動 GPSによる河口砂州の地形測量および音響探知機を用いた河口前面海域の深浅測量を実施し,河口砂州および河口前面海域の地形変化の基礎データを得た.(中野)また旧建設省が調査した河川横断定期測量データ(1967〜2000年)に対して経験的固有関数法を用いて地形変動解析を行った.その結果,0〜5km区間で1985年以降河床上昇が顕著になっていることがわかった(中野・岡部). 3)汽水域ベントス調査 希少種であるシオマネキ属の生息分布調査を吉野川および徳島県,高知県,香川県の泥干潟で実施するとともに生息環境選好度モデルの検討を行った(中野).吉野川の2つの干潟を対象にヤマトオサガニの成長速度を調査し,両者の成長速度の差が生じる要因について餌環境の関係から検討した(上月).吉野川下流域の4つの干潟を対象にベントス調査を実施し、種の出現のための予測モデルの構築を行った(鎌田). 4)植物群落分布調査 吉野川第十堰周辺の砂州上の植物群落について気球を用いた撮影と現地踏査による調査を行い、その結果より選好度モデルを用いた解析、ニューラルネットワークを用いた解析を行った(岡部・鎌田).イセウキヤガラ群落調査により、実生の発生状況を把握するとともに,種子散布と種子の輸送について二次元流動計算に基づく数値シミュレーションを実施した(鎌田・竹林).
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