研究概要 |
1)汽水域の流動・水質調査 吉野川河口から約2kmの地点に水温計,水温・電気伝導度計,流速計を係留し,夏季から秋季(8月〜10月)について塩分変動等を観測するとともに,河口からの距離0〜12km間の水質・動物プランクトンに関する縦断調査を実施した.また,FEMモデルと,MECモデルによる3次元流動計算を実施した.(中野). 2)干潟での底質移動観測 干潟底質の堆積・侵食メカニズムを把握するため,sediment trapを用いて1潮汐間の移動底質調査を行った.混合砂れきの流砂量計算と実測値との比較から,潮汐流による微細底質の移動機構の把握ができた.(中野) 3)汽水域ベントス調査 希少種であるシオマネキ属の生息分布調査を吉野川および徳島県,高知県,香川県,愛媛県の泥干潟で実施するとともに調査結果と数値計算結果を用いて生息環境選好度モデルの検討を行った.(中野).吉野川下流の数箇所の干潟を対象にマクロベントスの生息・非生息を評価するモデルを開発した(鎌田).昨年に引き続き,ヤマトオサガニの成長速度を調査し,両者の成長速度の差が生じる要因について餌環境の関係から検討した(上月). 4)植物群落分布調査 吉野川第十堰周辺の砂州上の植物群落について気球を用いた撮影と現地踏査による調査を行い,その結果より選好度モデルを用いた解析を行った(岡部・鎌田).イセウキヤガラ群落調査により,実生の発生状況を把握するとともに,種子散布と種子の輸送について二次元流動計算に基づく数値シミュレーションを実施した(鎌田・竹林).干潟の植生の抵抗特性について数値解析と気流・水流実験から検討した.(岡部・鎌田)
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