研究概要 |
本研究では,都市間夜行高速バスに関する利用実態と意識評価に関する基礎分析とその類型化を行うとともに,今後の需要動向を予測するために都市間夜行高速バス利用の需要の定着性,利用形態に着目した因果構造を明らかにすることが目的であった.平成13年度からの2ヵ年の科学研究費補助金に基づいて行った研究では,以下のような結果が得られた. ■都市間夜行高速バスの利用実態と意識評価,および需要の定着化に関する検討. この中では2000年9月開業の2ヶ月後に実施した第1回調査と,2年後の2002年に実施した第2回調査の2時点データを用いた基礎集計分析を行うとともに,この間の需要定着化が観光宿泊型,帰省型利用の増加として読み取る事ができた. ■都市間夜行高速バスの活動/交通パターンの実態把握およびその類型化に関する検討 夜行高速バス等を利用する移動日における活動・交通パターンについて,活動時間の諸量を用いた特性把握と,それに基づくクラスター分析を行った. ■都市間夜行高速バスの利用実態に着目した因果構造分析 京都・大阪-甲府間の移動について,往復夜行高速バスの利用か片道のみ利用かに関する因果の構造を明らかにするため,LISRELモデルの適用を行い,旅行属性ならびにバスサービス水準に関する評価因子が有意に規定力を持つ事がわかった. これらの成果によって.都市間を結ぶ夜行高速バスの利用実態や,その時間的な変化や特性が明確になり,都市間交通における夜行高速バスの位置付けや,今後の活用方法についての知見を得る事ができた.
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