研究課題/領域番号 |
13650585
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研究機関 | 神戸商船大学 |
研究代表者 |
小谷 通泰 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (00115817)
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研究分担者 |
山中 英生 徳島大学, 工学部, 教授 (20166755)
中川 大 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30180251)
吉田 茂 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (90158444)
秋田 直也 神戸商船大学, 商船学部, 助手 (80304137)
松村 暢彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80273598)
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キーワード | 貨物車交通 / 交通需要マネジメント / 沿道環境の改善 |
研究概要 |
阪神間の臨海部にはわが国の物流幹線が東西に走っている上に、産業活動が高度に集積し神戸港・大阪港という国際港湾を控えていることから大量の貨物車交通が発生集中している。このためかねてより、幹線道路の沿道地域では、貨物車が排出する窒素酸化物(NOx)や浮遊粒子状物質(SPM)による環境破壊が大きな問題となっている。そこで本研究では、こうした阪神間の臨海部において、貨物車に対する交通需要マネジメント施策(TDM)の導入が沿道環境の改善に及ぼす効果を予測し、その有効性を評価することを目的としている。具体的な研究内容は以下に示すとおりである。 1.阪神間の臨海部における貨物車交通の実態とそれらの沿道環境への影響を示すとともに、貨物車交通を対象とするTDM施策を分類整理した。次いで、阪神間に立地する事業所への意識調査の結果をもとに、TDM施策への取り組み状況や協力意向を明らかにした。 2.自動車交通に対する環境税のあり方を論じるとともに、期待される環境負荷の削減効果を考察した。また、環境対策に対するトラック事業者の意識構造を明らかにしDPF装着の義務化、燃料税の導入を取り上げて、それらに対する受容可能性を検討した。さらに、阪神間での貨物車の走行実態にもとづいて、環境ロードプライシングの導入による貨物車交通の市街地からの迂回効果を分析した。 3.情報通信技術の活用によりトラックの運行を効率化し環境負荷を軽減するための方法を検討した。ここでは、事務所端末とGPSを装着した車載端末からなるトラックの運行管理システム、およびGPSによる車両の走行情報の取得とそれにもとづく配車計画システムの開発事例を示し、その効果を実験により検証した。 4.TDM施策を評価するために、そうした施策を一定期間、試行する社会実験が数多く行われているが、物流に関わる実施事例についてその目的や意義、効果、課題を論じた。さらに阪神間での幹線貨物輸送の共同化実験を取り上げ、導入による環境改善効果を明らかにするとともに施策実現に向けての課題を検討した。
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